▼ 2006/01/22(日) アーケードゲームとしてのアイドルマスターって実は既に終わってるのかもしれない
昨日のエントリーに書いたアイマス雑感を、改めてまとめます。
ユーザーとオペレーターの間にここまでの温度差があるゲームも最近珍しいので、現状をこの辺で取りまとめつつ個人的な見解も混ぜて書いてみました。繁華街や、聖地化しているロケは別として、どのロケでも運営が厳しくて売上の悪いゲームであるという前提で書いてます。もし担当者の個人的感情とか思い入れを抜きで「うちの店は売上絶好調だし、アイドルマスターであと2年引っ張る事が出来るぜ!」というロケがありましたら是非コメントください。詳しい運営状況とか聞きたいです。
2006/1/23追記
蛇足かもしれませんが、2004年の冬コミで発行した個人誌「2004年版このアーケードゲームがすごい」で書いたアイマス評をPDFでUPしておきます。この本では他にロケテ段階のセンコロとメルブラ、QMAについてコメントしてました。
↓ここから
アイマスは設置ロケを選ぶ運営の難しいゲームです。今更感の漂うオーソドックスな育成ゲームでユーザーの偏りがあるギャルゲー物なのでオペレーターの評価も高くありませんし、当然売上も宜しくない店舗が多いのが現状です。ただし、コアなファンをしっかりと囲い込むことに成功すれば、その店舗ではある程度のインカムが見込めるタイトルではありますので、店舗がどのような運営方針を取るかで扱いが変わるのも事実です。
コアなファン、すなわちマニアに合わせたフロア作りをしていけば、ある程度売上が見込めるわけですが、現在のゲームセンターの傾向としてはマニアの囲い込みよりも家族連れや、普段あまりゲームをやらない、またはゲーセンに来ない層の取り込みに必死になっているのが現状です(ムシキングとかWCCF、三国志、MFCとかQMAのヒットはライトユーザーの取り込み成功がデカイ)。そんな流れの中でのアイマスってかなりの異端であり、普通の店舗だと扱いに困るゲームだよなぁ、とか思う訳です。
そもそも扱いに困るゲームである上に、案の定売上が悪いので、リリースからたった半年で100円に値下げされ始めており、アイマスに見切りをつけているとしか言いようがないオペレーターも増えてます。
値下げの先にあるものは、当然の事ですがアイマスの撤去です。現在の値下げ傾向は、戦略的なものではなく、単なる処分価格として値下げが行われているのが実際の所です。オペレーターとしては「200円で稼動しないよりは100円でちょっとでも動かしたい」という、苦渋の選択をしているだけなのです。
なのでプレイヤーの皆さんは間違っても「もっと100円の店増えねーかなー」などと言ってはいけません。100円店舗が増えれば増えただけ、将来的にアイマス撤去店が増えます。100円店舗が増えている現状は、アイマスの急速な衰退を象徴しているだけなのです。人気があるゲームなら値下げする必要は全然ありませんので、定価でも運営が行えます。200円から100円に値下げすると言うことは、売値を半分にしないと誰もプレイしないという事なのです。どんなに人気のあるゲームでもいつかは値下げが行われますが、アイマスの半年というのは明らかに早すぎます。
さらに悪いことに、ゲーム以外のCDやムックの売上が好調で、公式サイトに来る人の7割がゲーム未プレイという状況まで発生しています。こうなってくると、今後の展開としてはアニメ化やコンシュマーゲーム化が考えられる訳ですが、これはアイマスのゲーム性よりも、キャラクターコンテンツに関心が集まっているというだけであり、アイマスキャラクターという素材が活躍できるのであれば、アーケードゲームである必要性は全く無いということでもあります。
通常の作品であれば、リリースから1年程度で大きなバージョンアップが行われるか、もしくは続編の発売があります。アイマスの販売価格から考えて、購入費用をペイするために1度は大きなバージョンアップが行われてしかるべきです。早ければ2月に行われるアミューズメントエキスポ(AOU)にて何らかの動きがあるかもしれません。しかしながら現状の稼動状況から考えると、最悪の場合ナムコはアイマスに見切りをつけてしまい、購入店舗への救済処置として、手っ取り早く機械価格を償却するために、同一筐体を使ったCVT用の安価な別ゲームの発表がされる可能性も捨てきれません。
こうなるとアーケードにおけるアイドルマスターに未来が無さそうですが、ユーザの皆さんが今後もアーケード展開を望むのであれば、アイマスに力を入れている店舗で少しでも多くプレイをすることと、AOUでアイドルマスターに関する動きが何も無かった場合、署名などの運動でナムコに圧力をかけるなどのアピールをするなど、地道な活動でアイマスを支えていけば、キャラ追加を含めた今後の展開があるかもしれません。
ユーザーの熱意とは裏腹に、オペレーターは常に冷静な視点でゲームを見ています。それはアイマスであっても例外ではなく、売上の悪いゲームは市場から淘汰され、最終的にはプレイすることすら出来なるなるのがアーケードゲーム業界であるという事を、アイマスファンは常に意識していてください。ゲーム自体の売上が落ちてきてロケの冷え込みが始まっているにもかかわらず、グッズやCDが売れてしまっている今は、アイマスにとって正念場ともいえる時なのかもしれません。
- TB-URL http://multi.nadenade.com/shinichi/066/tb/
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# 通りすがりの元ロケ店員 2006年01月22日(日) 午後4時48分
都内の某有名店のインカム情報を
見せてもらったのですが。
今年に入ってしばらくたった時点で
センモニ1+4サテの値引きなしのOP価格の
6割に届かないぐらいでした。
(筐体への投入金額、カード代金があるので
回収率は少し下がるはず。)
稼動にかかる経費を完全考えると、完全に赤・・・
正直、メーカーロケならともかく個人OPで
導入したところにはきっつい数字でした。
# 高野 2006年01月22日(日) 午後8時30分
ゲームの性質上仕方ないでしょうね〜。
しかしこんな事はゲームセンター側が最初から
認識すべきことだったのでは?
そのゲームにおいて地方の中心となれるような環境作りを
出来ない店でない限り元が取れないのは計算すれば
小学生でもわかったはずです。
そう考えると販売元であるナムコのうり方が
上手かったのでしょうね。
コアなプレイヤーであってもやはり値段には敏感です。
実際に200円から100円に値下げをしたところ
従来の2サテではとても追いつかず4サテに
増設(元は4台だったんですが。。。)して
大盛況になっている店もあります。
値下げ戦略は一概に投売りとは言い切れないと思いますよ。
かつてのダービーオーナーズクラブも稼動して8ヶ月くらいに
2セット目の設置と同時に半額に値下げしてました場所もありましたし。
# 進壱 2006年01月23日(月) 午前1時29分
>>通りすがりの元ロケ店員さん
>>高野さん
私としては「何でこんなに売れてるの?」と言うのが本音です。
最近の傾向として、サテライト物は手当たり次第的な面もオペレーター側にあるので、色々と判断を誤っているのかもしれません。あとはナムコ営業さんとのアレコレもあるかと。
値下げは人気ゲームのそれと比べることは出来ないでしょう。インカムが見込める状況での値下げと、そうでない値下げは意味合いが全然違います。ダービーは伝説のゲームですので、タイプは似ているんですけど格が違いすぎて同列では語れません。
>>Anonymous
はっきり言って、内容的には単なる育成ゲームでしかないので、オペレーターとしては「このゲーム楽しいよ!」とは言いにくいです。というかキャラ萌えが発生しない人には全然面白くないゲームですよ、アイマスは。
値段ですが、カード排出が当たり前になっている現状のサテライトゲームを考えると割高感があります。個人的には500円3クレは全然高くないと思うんですが、プレイヤーのコア層がアーケード慣れしていないので、高いと感じてしまうのでしょうね。ダービーやWCCFだと100万円プレイヤーがザラなんですけどね。
# ギル 2006年01月23日(月) 午前2時42分
>>手っ取り早く機械価格を償却するために、同一筐体を使ったCVT用の安価な別ゲームの発表がされる可能性も捨てきれません
同一筐体の新作で"ドルアーガの塔"があったはずです
<a href="http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20040902/am102.htm" rel="nofollow">http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20040902/am102.htm</a>
<a href="http://plusd.itmedia.co.jp/games/gsnews/0409/02/news08.html" rel="nofollow">http://plusd.itmedia.co.jp/games/gsnews/0409/02/news08.html</a>
…早くドルアーガに変わることを願ってるんですが(笑)
# 進壱 2006年01月23日(月) 午後0時01分
>>ギルさん
ドルアーガ、CVTキットは今のところ発売無しのようです。
筐体も初期のドラクロ流用から専用筐体に変更されています。
# am 2006年01月26日(木) 午後0時52分
アーケード物なのにTGSに筐体を出展していたことを
考えるとCS転向が本命な気がしますね。